こんにちは。
エンジニアのナムです。
SEDチームでは、約4〜5年前から NulabのBacklog をメインのタスク管理ツールとして利用してきました。特にクライアントプロジェクトでは、Backlog の安定感や管理しやすさもあり、現在でも継続して活用しています。
一方、プロダクトの開発に関しては、約1年前から Notion をスプリント運用の中心ツールとして採用しました。Notion はドキュメント管理ツールとしての認知が強いですが、実際に使ってみると「開発に必要な柔軟性」が非常に高く、スプリント運用との相性が想像以上に良いことがわかりました。
本記事では、Notion がスプリント管理に向いている理由を中心に、Backlog と比較しながら具体的に解説します。
1. 自由度の高い「カスタム属性」
Notion の最も大きな強みのひとつが、データベースのプロパティ(属性)を自由に追加できる柔軟性です。
プロジェクトの状況に合わせて、以下のような属性を自在に拡張できます。
・ストーリーポイント
・担当者(複数選択も可)
・マイルストーン
・優先度
・外部ドキュメントリンク(Figma、Google Drive、仕様書など)
さらに、運用に合わせて 属性を細分化 することもできます。例えば、
・「担当者」
・「実装者」
・「レビュアー」
といったように、開発工程ごとに別々の担当者を管理したい場合、
必要なプロパティを自由に追加し、メンバーを割り当てるだけ で実現できます。
一方 Backlog でも属性の追加は可能ですが、
・属性の種類(形式)は制限がある
・メンバー指定型のカスタムができない
・外部リンクなどとの柔軟な連携ができない
といった制約があり、細かいプロジェクト単位の運用には対応しきれない場面が出てきます。
Notion のカスタム性は、「プロジェクトに合わせてツールを最適化したい」というチームにとって大きな利点になります。
2. 子タスクの階層構造が柔軟
Backlog は、「親課題 > 子課題」までしか階層が作れないという制限があります。
内部プロダクトのようにタスクが細分化される開発では、これが不便に感じる場面が少なくありませんでした。
Notion では、必要に応じて、
エピック→ ストーリー → タスク → サブタスク
と、階層を自由に深くできます。
これにより、仕様書レベルから実作業レベルまでを自然につなげられるようになります。
3. プロジェクトテンプレートを自由に作成できる
Notion のもう一つの大きな強みは、「プロジェクトそのものを丸ごとテンプレート化できる」 点です。
単なるチケットテンプレートにとどまらず、プロジェクト運用に必要な要素をすべて含めたテンプレートを作成できます。
例えば、以下のような構成を一式テンプレ化できます。
・スプリントボード
・デイリースクラム・スプリントレビューなどの関連ミーティングノート
・プロジェクトの目的・スコープ・関係者・ルールなどをまとめた概要ページ
・推進体制、WBS、リスク管理などの補助ページ
プロジェクトが新しく立ち上がった場合でも、テンプレートを複製するだけで、同じ運用ルール・情報構造を保ったまま管理を開始 できます。
これにより、チームメンバーのツール習熟コストや運用のばらつきを抑えることができます。
一方、Backlog のテンプレートは基本的に「課題単位」でのテンプレート化が中心です。プロジェクトをまたいだ Wiki 構造やボード設定、関連文書を含めた “環境全体のテンプレート化” は行えません。
Notion では ページ構造そのものを丸ごと再利用できるため、プロジェクト数が増える組織では特に大きな効率化につながります。
Backlog と Notion を比較して見えてきた特徴
以下は 併用経験から見えた比較ポイントです。
| 観点 | Backlog | Notion |
|---|---|---|
| カスタマイズ性 | フィールドが固定的 | 自由自在(DB設計が可能) |
| 階層構造 | 親 > 子 の 1 階層 | 好きな深さまで構造化できる |
| 外部プロジェクトとの相性 | 非常に良い(権限管理が明確) | 権限周りは弱め |
| 情報の一元化 | チケット中心 | ドキュメント・仕様・議事録も統合 |
| スクラム向け機能 | バーンダウン、ガント等が標準 | 必要に応じて自作 |
| テンプレート性 | 課題テンプレート中心 | プロジェクト全体をテンプレ化可能 |
どちらが「優れている」というより、プロジェクトの性質によって得意分野が異なるという印象です。
最後に
ツールは「良い/悪い」ではなく「相性」
Backlog と Notion は性質の異なるツールであり、どちらも十分に使い続けられるレベルの完成度を持っています。
その上で、プロダクト開発においては Notion が非常に相性が良かったというのが私たちの正直な実感です。
もしスプリント運用や内部プロダクトの管理に悩んでいる方がいれば、一度 Notion を“プロジェクト管理ツール”として試してみる価値は十分にあると思います。








